201512030101

「クマムシ」とは、緩歩動物門に属する、約1,000種以上の生物の総称である。その名前は、姿形が熊に似ていることに由来しているが、昆虫には分類されていない。この生物は、陸上・海中問わず、地球上のありとあらゆる場所に生息しており、非常に高い耐久性を持つことから、「不死身の生物」などとも呼ばれている。
スポンサーリンク

「クマムシ」の詳細

クマムシの体長は、約0.05mm~1.5mm程度であり、熱帯から極地、深海から高山など、様々な環境に適応しており、海洋・陸水・陸上問わず、地球上のありとあらゆる場所に生息している。堆積物中の有機物を含んだ液体や、動物や植物の細胞液などを摂取して生きており、その寿命は100年以上だとも言われている。

クマムシは、生命の危機を感じ取ると体を縮め、その体表面積を小さくし、「樽」と呼ばれる姿に変形する。次に体内に蓄えられている糖分を、全てトレハロースに変化させる。そして、代謝をほぼ完全に止め、「乾眠」と呼ばれる状態に入る。この乾眠状態においては、トレハロースがその立体構造を保護する働きをするため、クマムシは水分を得ることで再び元の姿へと戻り、動き回ることができる。

「クマムシ」の耐久性

201512030102

クマムシは乾眠状態において、非常に高い耐久性を持っており、様々な極限状態でも生き延びることができる。

  • 乾燥
通常では、クマムシの体は、その全体の約85%が水分によって占められているが、乾眠状態ではその水分を約0.05%まで減らし、極度の乾燥状態にも耐えることができる。また博物館で標本にされていた、約120年前のクマムシに水分を与えたところ、無事に蘇生したという記録がある。

  • 温度
151℃以上の高温から、絶対零度と呼ばれる-273℃の低温にまで耐えることができる。しかし、これは空気中の温度に限定されたものであり、熱湯などには弱い。

  • 圧力
宇宙空間などの真空状態から、75,000気圧の高圧にまで耐えることができる。また2007年9月、欧州宇宙機関によって打ち上げられた、人工衛星フォトンM3による実験において、クマムシは10日間、宇宙空間に直接曝されたが、無事に耐え抜き、「宇宙空間に直接曝されて生き残った、初めての動物」となった。

  • 放射線
高線量の紫外線、X線、ガンマ線などの放射線に耐えることができる。X線の半致死線量は、57万レントゲンだとされており、人の致死線量500レントゲンを大きく上回っている。また人工衛星フォトンM3による実験において、太陽光を直接浴びた固体に地上で水分を与えたところ、いくつかの固体は蘇生し、通常のクマムシと同様に繁殖した。


以上のことから、「不死身の生物」などとも呼ばれているクマムシだが、これらの耐久性は乾眠状態においてのみ発揮されるため、通常のクマムシにお湯をかければ、普通に死んでしまう。また乾眠状態においても物理的には弱く、指などで押し潰せば、簡単に死んでしまうという。

関連動画



管理人から一言

放射線を浴びせられたり、宇宙に連れて行かれたり、大変そうですね…。