
「マリーの部屋」とは、1982年にオーストラリア人の哲学者フランク・ジャクソンによって考案されたという、哲学における思考実験のことである。この思考実験は、「この世界に存在する、ありとあらゆる物事は全て物理的なものである」という、物理主義の考え方を批判するものとなっている。その内容としては、「とても頭の良い科学者のマリーは、生まれてからずっと白黒の部屋で生活をしている。しかし、彼女は『色』というものの存在と概念を物理的な知識から学んでおり、完全に理解している。果たして、マリーが白黒の部屋から外の世界へと出た時、彼女は何か新しいことを学ぶのだろうか?それとも、何も学ばないのだろうか?」というものである。