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「アカンバロの恐竜土偶」とは、1945年7月にドイツ人の実業家ワルデマール・ユルスルートが、メキシコ北部のアカンバロ村で偶然発見したとされる、恐竜の形をした土偶のことである。その後の分析の結果、この土偶に含まれる物質は、紀元前1000年から紀元前4500年のものであるということが判明しており、この恐竜土偶はオーパーツの一つとして、世界に広く知られることになった。
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「アカンバロの恐竜土偶」発見までの経緯

1945年7月、ドイツ人の実業家ワルデマール・ユルスルートが、メキシコ北部グアナフアト州のアカンバロ村付近にある山のふもとで、いくつかの奇妙な土偶を発見する。その土偶の中には、ティラノサウルスやプレシオサウルス、ステゴサウルスなどの白亜紀末期に絶滅したと考えられている、恐竜の姿に酷似したものが含まれていた。

考古学マニアだったユルスルートは、自らの使用人ティナヘロを含む、周囲の人々にこの土偶の発掘作業への協力を依頼した。その結果、1952年までの約7年間で手のひらサイズの約5cmぐらいのものから、1mを超える大きなものまで、大小様々な大量の土偶が発掘され、その数は計37,000体以上にも昇った。

ユルスルートは、この大量に発掘された謎の土偶に対して、考古学的な調査が行われることを期待していたが、考古学者チャールズ・ディ・ペソによって「これらの土偶は、全て捏造されて作られたものである」という指摘を受けたため、長い間、専門的な調査が行われることはなかった。

ペソが捏造だと考えた理由は、下記の通りである。
  • 時代考証上、恐竜と人類が共存していたという事実は存在しない
  • 使用人ティナヘロの最終学歴は小学校4年であり、教養に乏しい

「アカンバロの恐竜土偶」の分析

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1968年、ユルスルートの知人である地質学者チャールズ・ハプグットは、この土偶のサンプルを3種類用意し、ニュージャージー州の年代測定を専門に行っている、アイソトープ社の研究所へ分析を依頼した。この研究所で放射性炭素年代測定による分析が行われた結果、「3種類のサンプルは、それぞれ紀元前1110年、紀元前1640年、紀元前4530年のものである」という驚くべき結果が得られた。

翌年の1969年、ハプグットの知人である航空設計技師アーサー・ヤングが、ペンシルベニア大学の研究所へ、この土偶の再分析を依頼した。この研究所では、前回とは別の方法となる、熱ルミネッセンス線量計を測定する方法によって分析を行うことになった。その結果、前回と同じように「紀元前2500年のものである」という、古い地質時代を指す分析結果が得られたのである。

もちろん、恐竜は白亜紀末期の紀元前6550万年頃には既に絶滅しており、地球上に人類の祖先が誕生したのは、それからずっと後の紀元前600万年頃だと考えられている。そのため、この「アカンバロの恐竜土偶」は、時代考証上、「恐竜と人類が共存していた時代が存在する」という矛盾が生じ、たちまちオーパーツの一つとして世界に広く知られることになった。

その真相とは?

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アイソトープ社とペンシルベニア大学の研究所によって行われた分析については、この土偶が作られた年代を測定するものではなく、あくまで土偶に含まれる物質の年代を測定するものである。そのため、古い地層の土など利用して土偶を作った場合、当然、古い地質時代を指す分析結果が出てもおかしくはない。

恐竜の形をした土偶の中には、例えばティラノサウルスが直立しているなど、現在では間違いだと考えられている恐竜の特徴を有するものが多く含まれており、その他の土偶の中には、半人半獣の人間や翼を持った竜など、空想上の生き物の姿もいくつか確認されている。

またこの土偶を捏造であると指摘したペソが、実際に現地を調査したところ、使用人ティナヘロが「未発掘の場所」と発現していた場所からは、明らかに埋め戻された跡が発見されている。これらのことから、「アカンバロの恐竜土偶」が正真正銘のオーパーツである可能性は低いと考えられる。

現在、アカンバロ村はダムの底へと沈んだため、この土偶の検証を行うことが不可能な状態となっており、一説では「ダム工事を阻止する目的で捏造されたのではないか」とも言われているが、その真相は不明である。

関連動画

この動画は、日本の株式会社ON-ARTが製作したティラノサウルス型のロボットによる、テスト歩行の様子を捉えた映像である。金銭的に余裕のある方は、小さな子供へのプレゼントとして購入を検討してみてはいかがだろうか。



管理人から一言

何だか、ティラミスが食べたくなってきましたね…。