201512260101

「トンネル効果」とは、ミクロの物質の物理量を表す時の最小単位である量子が、極稀な確率で物理的な障壁を透過する現象のことである。この現象は、視覚的にわかりやすく説明した場合、「手に持っているボールをコンクリートの壁に向かって投げた時、そのボールが壁にぶつかって跳ね返らず、そのまま壁を通り抜けることがある」という話に言い換えられることがある。
スポンサーリンク

「トンネル効果」の詳細

1900年、ドイツ人の物理学者マックス・プランクは、物理量の最小単位である「量子」の存在を発見し、この量子を用いて物理学の様々な現象を解明しようとする「量子論」を提唱した。その後、ユダヤ人の理論物理学者アルベルト・アインシュタイン、デンマーク人の理論物理学者ニールス・ボーアなどの働きにより、微視的な物理現象を専門的に取り扱う「量子力学」が確立された。

量子力学の世界において、ミクロの物質の物理量を表す最小単位の量子は、粒子的な性質と波動的な性質の両方を持つと考えられている。この波動的な性質により、量子が存在する正確な位置は決まっておらず、確率的に変動するものと考えられており、極稀な確率で物理的な障壁を透過することがあるという。この現象は、あたかも量子が壁を通り抜けているように見えることから、「トンネル効果」と呼ばれている。

この現象は、視覚的にわかりやすく説明した場合、「手に持っているボールをコンクリートの壁に向かって投げた時、そのボールが壁にぶつかって跳ね返らず、そのまま壁を通り抜けることがある」という話に言い換えられることがある。また特別な防音設備が整えられていない密室の部屋において、大きな声を発した際に外部の人間にも小さく声が聞こえるのは、音波が量子と同じように波動的な性質を持つため、物理的な障壁を透過しているからである。

しかし、具体的には量子は物理的な障壁を完全に通り抜けているとは言えず、量子は障壁に衝突した際に消滅しており、この消滅した量子が波動となって障壁に伝わり、その後、消滅した量子と全く同じ量子が障壁の向こう側に発生しているだけである。つまり、実際には「壁を通り抜ける」のではなく、「壁を通り抜けているように見える」と表現した方が正しいとされている。

現在のソニーでPN接合ダイオードの研究を行っていた物理学者の江崎玲於奈は、当時ソニーが製造していたトランジスタの不良品を解析している際、その不良品となった原因がトンネル効果によるものであることを突き止めた。その後、江崎玲於奈は「物理学において、初めてトンネル効果の実証に成功した」という功績が大きく認められ、1973年にはノルウェー人の物理学者アイヴァー・ジェーバーと共にノーベル物理学賞を受賞している。

この現象の発生確率

201512260102

実際には、人間やボールなどの目視可能な大きさの物体が、トンネル効果によって物理的な障壁を通り抜ける確率はゼロではないものの、限りなくゼロに近いほど低い確率だと考えられている。それは、例えば人間の場合、成人の身体に含まれる細胞の数は約37兆個あり、その1個の細胞はさらに約1,000兆個の粒子によって構成されている。そのため、その全ての粒子がこの現象によって同時に障壁を通り抜けるということは、現実的ではないためである。

一説では、「数百億年経っても、目視可能な物体にトンネル効果が発生するところを観測することは不可能なのではないか」という意見もあり、現在までそのような事実も確認されておらず、計算することも不可能とされているため、その詳しい確率は不明である。

また現在では、このトンネル効果は宇宙誕生の謎を解き明かす鍵になる可能性があるものとして注目を集めており、世界中の物理学者によってさらなる研究が進められている。

関連動画



管理人から一言

神隠しにあった人たちは、もしかして…。