「ポール・マッカートニー死亡説」とは、イギリスのロックバンド「ザ・ビートルズ」のポール・マッカートニーは、実は1966年に死亡しており、密かに影武者と入れ替わっている、という都市伝説のことである。1969年9月にアメリカ人の大学生によって書かれた、「ビートルズの楽曲中の歌詞やアルバムカバーなどから、ポールが死んでいることを示す証拠が見つかった」という記事が新聞に掲載され、その後、数週間の内にこの話題は国際的な広がりを見せた。
この話の発端
1967年1月に彼の車を巻き込んだ交通事故が起きた頃からロンドン市内で「自動車事故でポールが死んだ」という噂が流れ始める。そして、1969年9月17日に「ビートルズの一人ポール・マッカートニーは死んでいる?」と題した記事が、ドレイク大学の学生新聞に掲載される。その後、ミシガン・デイリー紙がミシガン大学の学生フレッド・レイバーによる風刺的な「アビイ・ロード」のレビューを掲載した。その見出しも「マッカートニー死す。新たな証拠が明るみに」というものであり、同時にこの死亡説を裏付ける証拠が大量に掲載された。瞬く間に噂は国際的な広がりを見せ、10月11日に配信されたニュースの中でビートルズの広報だったデレク・テイラーはこの噂について「最近ポールが死んだという知らせについて山のような問い合わせを受けている。ここ数週間は昼夜を問わず、家や事務所でも聞かれるんだ」という趣旨の発言をしている。
死亡説の証拠
ポールの死を暗示する証拠と言われるものは複数存在し、それは歌を逆回転のレコードで再生するとあるメッセージが聞こえてくるというものや歌詞やアルバムカバーのイメージが死の象徴として解釈できるというものが多い。有名なものとしては、ホワイトアルバムの曲「レボリューション9」を逆再生すると「 "turn me on, dead man"(死人を生き返らせてくれ)」と聞こえるといったものや、「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の最後の箇所でジョン・レノンが「"I buried Paul"(僕はポールを埋葬した)」と言っているというものである。
その後の展開
1969年10月の終わり頃までに、様々なアーティスト達によってポール死亡説をもとにした楽曲が複数リリースされた。
1969年11月のライフ誌にポール本人によるインタビュー記事が掲載される。
1969年11月30日に有名弁護士のフランシス・リー・ベイリーが司会を務めるニューヨークのテレビ番組がこの話題を取り上げた。この番組に出演した学生フレッド・レイバーは「あの記事はジョークのつもりだった」と発言している。
後にジョンとポールはそれぞれ自分たちの作品の中でポール死亡説に言及しており、ジョンは噂を広めた人たちを「フリーク」と表現している。
関連動画
この動画は、「レボリューション9」の逆再生を検証した映像である。確かに「 "turn me on, dead man"」と言っているように聞こえてもおかしくはない。管理人から一言
昔、「つぶやきシロー死亡説」ってのもありましたね…。