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1976年7月22日、日本テレビによって放送された特別番組「木曜スペシャル 謎の怪奇人間オリバー!」において、人間とチンパンジーの混血児だとされる謎の動物「オリバーくん」が紹介された。オリバーくんは頭髪が薄く、白い顔には毛が生えておらず、人間のように直立二足歩行で歩くことができたため、一般的なチンパンジーとは大きく異なった特徴を有していた。そのため、当時の日本は空前のオカルトブームが巻き起こっていたこともあり、オリバーくんは人々の話題を集め、一躍、お茶の間の人気者となった。
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「オリバーくん」とは?

「オリバーくん」とは、1976年7月22日に放送された日本テレビの特別番組「木曜スペシャル 謎の怪奇人間オリバー!」にて紹介されたことにより、一躍、お茶の間の人気者となったという、人間とチンパンジーの混血児だとされる謎の動物のことである。この番組は、24.1%という高い視聴率を記録している。

もともと、オリバーくんはアメリカ人の弁護士マイケル・ミラーによって飼われており、当時のアメリカ合衆国では「未知の生物」、「ヒューマンジー」として、すでに有名な存在となっていた。日本への来日の経緯については、番組プロデューサーの康芳夫が、オリバーくんの飼い主であるマイケル・ミラーから日本での興業権を獲得したことによって実現することになった。また来日時、オリバーくんの世話役を務めたのは、当時はまだアシスタントディレクターだったタレントのテリー伊藤だという。

来日時のオリバーくんの身体的な情報は、下記の通りである。
  • 年齢:16歳(推定)
  • 身長:140cm
  • 体重:56kg
オリバーくんは頭髪が薄く、白い顔には毛が生えておらず、人間のように直立二足歩行で歩くことができることを披露してみせた。また人間のようにビールを飲んでタバコを吸い、チンパンジーよりも人間の女性の方に興奮するため、一般的なチンパンジーとは大きく異なった特徴を有していた。またオリバーくんが捕獲されたという地域では、先住民とチンパンジーが共生していたため、人間とチンパンジーが交わることも可能性としては考えられた。

そのため、当時の日本は空前のオカルトブームが巻き起こっていたこともあり、オリバーくんはその奇怪な風貌から人々の話題を集めることになった。その後、オリバーくんは多くのテレビ番組に出演することになり、一躍、お茶の間の人気者となっていった。

「オリバーくん」の染色体数

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1960年代、アメリカ合衆国でオリバーくんの染色体数を調べるための検査が行われたという。染色体とは、遺伝情報の発現と伝達を担っている生体物質のことであり、その数は生物の種によって異なっている。その検査の結果、オリバーくんの染色体数は47本であることが判明した。

人間の染色体数は46本であり、チンパンジーの染色体数は48本である。そのため、この染色体数の違いがオリバーくんを人間とチンパンジーの混血児であることを裏付ける決定的な根拠として番組内では強調されていた。

その真相とは?

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実は、特別番組「木曜スペシャル」が放送された翌日の1976年7月23日、朝日新聞の朝刊において、番組の放送前に行われていた日本の放射線医学総合研究所による検査の結果、オリバーくんの染色体数がチンパンジーと同じく、48本であることが判明していたという記事が掲載されている。つまり、番組側はオリバーくんが、ほぼ間違いなくチンパンジーであるということを伏せた状態で番組を制作・放送していたことになる。

その検査では30個もの細胞サンプルが用いられているが、その内、28個の細胞サンプルにおいては、染色体数は48本という結果が出ていた。また残りの2個の細胞サンプルにおいては、染色体数は47本という結果が出ているため、恐らく、1960年代にアメリカ合衆国で行われたという検査については、単純な検査ミスによるものか、あるいは捏造されたものである可能性が高いと考えられる。

この時、同時にオリバーくんの腰椎のレントゲン検査も行われている。人間の腰椎の数は5個であり、チンパンジーの腰椎の数は4個だとされているが、オリバーくんの腰椎の数はチンパンジーと同じく、4個だということが判明している。またオリバーくんの血清中に含まれているタンパク質のパターンが、チンパンジーのものと完全に一致したという。

これらのことから、オリバーくんは人間とチンパンジーの混血児などではなく、ただのチンパンジーだと考えられる。恐らく、頭髪が薄く、顔に毛が生えていなかったのは、あくまで人間の仕業によるものであり、人間のように直立二足歩行で歩くことができたのは、飼い主のマイケル・ミラーがオリバーくんをサーカス団から買い取っているという経緯を考えれば、ただの訓練によるものだと推測される。

その後、アメリカ合衆国へと帰国したオリバーくんは、次第に人々から飽きられるとマイケル・ミラーから売却され、何人もの所有者の間を転々とし、見世物小屋などで見世物として扱われる日々を過ごすことになった。

1980年代後半、オリバーくんはペンシルベニア州にある化粧品メーカーへと動物実験用として売却され、そこで約7年間に渡り、狭い檻の中に閉じ込められている。この頃、オリバーくんは神経衰弱のような状態に陥り、筋肉も急激に衰えていた。

1996年、オリバーくんは動物愛護団体「プライマリリー・プライメイツ」によって保護され、テキサス州サンアントニオにある保護区で余生を送っていた。2012年6月、オリバーくんはハンモックで眠るように息を引き取ったと言われている。

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管理人から一言

人間の欲が、一番のオカルトです…。