201602080101

「フェルミのパラドックス」とは、イタリア人の物理学者エンリコ・フェルミが指摘したことによって議論されることになった、「地球外知的生命体による高度な文明が仮に存在するとした場合、我々がそのような文明と接触していないのは、なぜなのか」というパラドックスのことである。このパラドックスはノーベル物理学賞の受賞者として知られるフェルミが、1950年に昼食を取りながら知人と議論している際に発した一言が発端となっており、その解釈については様々な意見や憶測が飛び交っている。
スポンサーリンク

「フェルミのパラドックス」とは?

「フェルミのパラドックス」とは、イタリア人の物理学者エンリコ・フェルミが最初に指摘したことによって議論されることになった、「科学的には地球外知的生命体が存在する確率がとても高いこと」と「我々が地球外知的生命体による高度な文明に接触したことがないこと」の間に生じる、一種のパラドックスのことである。

その具体的な内容としては、「この広い宇宙のどこかに、地球外知的生命体による高度に発展した文明が仮に存在するとした場合、現在までに地球人がそのような文明と接触した形跡や証拠などが確認されていないのは、一体なぜなのか」というものである。

このパラドックスは、1938年にノーベル物理学賞を受賞したことでも知られるフェルミが、1950年に昼食を取りながら知人と軽い議論している際に発したという、「もし、宇宙人がいるとするなら、なぜ彼らは地球にやってこないのか」という一言が発端となっている。しかし、フェルミ自身はこのパラドックスについて真面目に考えたことなどはなく、当時ハンガリー人に天才と呼ばれる者が多かったことから、「実は、宇宙人はハンガリー人としてすでに地球に潜入しているのではないか」というジョークを口にしていたと言われている。

その後、このパラドックスについては「宇宙生物学」という学問が誕生したこともあって、たびたび議論されることになり、その解釈については世界中で様々な意見や憶測が飛び交っている。

このパラドックスの前提条件

201602080102

まず、このパラドックスについては「この宇宙のどこかに地球外知的生命体が存在している」ということが大きな前提条件となっている。しかし、1960年から「地球外知的生命体探査(SETI)」という地球外知的生命体による文明を発見するためのプロジェクトが世界各国で行われているにも関わらず、現在までにそのような文明の発見には至っていない。

現在、科学的には地球外知的生命体が存在する確率は、とても高いものとされている。その理由としては、我々が暮らす地球は太陽系という領域に属しており、また太陽系は銀河系という領域に属している。そして、この銀河系には約2,000億個の惑星があり、この銀河系と同じような銀河が、宇宙には約1,000億個以上も存在すると推定されている。そのため、この宇宙には膨大な数の惑星が存在していることが根拠となっている。

実際に2013年11月、アメリカ合衆国のカリフォルニア大学バークレー校とハワイ大学の共同研究チームによって行われた調査の結果、この宇宙には地球と同じような環境の惑星が、少なくとも数十億個は存在するということが判明している。その惑星の中で地球からもっとも近いものは12光年の距離にあり、肉眼でも目視可能なのだという。

また宇宙は138億前に誕生したものと考えられているが、地球のような惑星が誕生したのは112億年前のことだということがわかっている。現在、地球は46億年前に誕生したものと推測されているため、この宇宙のどこかに地球よりも先に誕生した惑星があり、高度に発展した文明を持つ地球外知的生命体が存在する確率はとても高いものと考えられている。そのため、このパラドックスの前提条件は非現実的なものではないのである。

このパラドックスについての解釈

201602080103

この「フェルミのパラドックス」の解釈については、地球外知的生命体の存在に対して確信的・懐疑的な両方の立場の人々から、下記のような意見や憶測が飛び交っている。
  • 実は、宇宙人はすでに地球へとやってきてはいるが、各国政府がその事実を隠蔽していたり、また宇宙人が地球人に擬態していたり、あるいは別の次元に重なるように存在しているため、地球人には認識することができていない
  • 過去の古い時代には、宇宙人は地球へとやってきており、世界各国にある宇宙人の関与が疑われるような建造物や民間伝承などはその事実を物語っているが、現在では宇宙人が地球へとやってくることはなくなっている
  • 高度に発展した文明を持つ宇宙人は確かに存在してはいるが、異星人との接触によって発生する混乱などを避けるために何らかの制限が設けられており、現在のところ地球へはやってきてはいない
  • 宇宙人は確かに存在してはいるが、技術力が未熟なために地球へと到達していないか、あるいは高度に発展した文明を持つ宇宙人は、核戦争や環境破壊などの事態を引き起こして滅亡してしまうため、地球へとやってくることはない
  • そもそも宇宙人は存在していないか、あるいは地球以外にはまだ生命体が誕生していない
現在のところ、これらの解釈はあくまで憶測の域を出ないものであり、今後の新たなる発見・進展が期待されている。

関連動画

この動画は、「フェルミのパラドックス」について可愛いアニメーションを用いて、わかりやすく説明している動画である。この動画では、文明に対する壁としての概念である「グレート・フィルター」を引き合いに出しており、SF要素の強い考察を展開している。日本語字幕に対応しているため、ぜひともご覧いただきたい。





管理人から一言

「将来、タイムマシンが開発されることはない」って考え方に似ていますね…。