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「三人の囚人問題」とは、1959年にアメリカ人の数学者マーティン・ガードナーによって提起されたという、確率論における条件付き確率についての問題のことである。その内容とは、「ある牢獄に三人の囚人が閉じ込められている。ある日、囚人たちは看守から、『この中の一人だけ助かることになった』と伝えられる。その後、一人の囚人が、看守から『ある情報』を得て喜ぶのだが、はたしてそれは正しいのか?」というものである。この問題については、人間の直感によって得られる確率と実際の正しい確率が異なる例題の一つとして注目を集め、主に認知心理学などの分野で研究が行われている。
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「三人の囚人問題」の詳細

「三人の囚人問題」の詳細な内容とは、主に下記の通りである。

あるところに囚人A・囚人B・囚人Cという、三人の囚人が牢獄に閉じ込められていた。この三人の囚人は大きな罪を犯したため、近いうちに処刑されることが決まっていたのだ。

ある日、看守が「三人のうち、一人だけが処刑を免れ、運良く助かることになった」と囚人たちに伝える。しかし、誰が助かるのかについては、看守は決して教えることはなかった。

そこで囚人Aは頭を使い、看守にこのように質問した。

「私を除いた二人のうち、少なくとも一人は処刑される。それならば、その処刑される者の名前を教えてほしい。私のことではないから、別に問題はないだろう?」

看守はこの質問に対して少し考えてから、このように回答した。

「少なくとも、囚人Bは処刑される」

その言葉を聞いた囚人Aは、とても喜んだ。なぜなら、「これで自分が助かる確率が1/3(33%)から、1/2(50%)に上がった」と考えたからだ。

はたして、囚人Aが喜んだのは本当に正しいのだろうか?

この問題が生まれた経緯

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この「三人の囚人問題」が生まれた経緯については、1959年にアメリカ人の数学者マーティン・ガードナーが科学雑誌「サイエンティフィック・アメリカン」のコラム欄「数学のゲーム」の中において、この問題を紹介したことが発端となっている。

この問題は1889年にフランス人の数学者ジョセフ・ベルトランによって提起されたという、「ベルトランの逆説」に着想を得て考えられたものとされており、人間の直感的・主観的な考えによって導き出される確率と実際の正しい確率が大きくことなることで注目を集めた。

現在では、この問題は条件付き確率を説明する際に用いられる例題の一つとして挙げられることがあり、日本認知科学会などを中心として、主に認知心理学などの分野で研究が行われている。

「三人の囚人問題」の解答・解説

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この「三人の囚人問題」の解答については、結論から言えば囚人Aが喜んだのは誤りである。

条件付き確率に関して成り立つ、「ベイズの定理」を用いれば、最初の囚人たちが助かる確率は1/3(33%)であり、囚人Aが看守から「囚人Bは処刑される」という情報を得た時点では、囚人Cが助かる確率は2/3(66%)に上がってはいるものの、囚人Aが助かる確率は1/3(33%)のままで変化しないという解答が得られる。

仮に囚人Aが最初から存在せず、囚人B・囚人Cの二人の囚人しか存在しないものと仮定した場合、看守から「囚人Bは処刑される」という情報が得られた時点では、当然囚人Bが助かる確率は0%となり、同時に囚人Cが助かる確率は100%となる。そこに囚人Aが加わったのが、この「三人の囚人問題」だと考えれば理解しやすい。

つまり、看守の回答についての前提条件である、「看守が囚人Aのことについては、絶対に回答しないこと」、また「囚人B・囚人Cの二人のうち、どちらかが必ず処刑されること」から、看守の回答に対する囚人B・囚人Cの二人の関係性には、そもそも囚人Aの存在が無関係なのである。そのため、看守の回答によって囚人Bが助かる確率と囚人Cが助かる確率に変化はあっても、囚人Aが助かる確率は1/3(33%)のままとなり、変化はしないのである。

関連動画

この動画は、警察に追われている脱獄囚を装って、何も知らない通行人に助けを求めるというドッキリ企画の映像である。それにしても、この男の笑い声には、どこか憎めないところがあるように感じられる。



管理人から一言

みなさん、犠牲となった囚人Bに、合掌…。