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「ベッドの下の男」とは、1990年代から囁かれ始めたという、東京の大学へと通う二人の女子学生が体験した、一人暮らしとストーカーにまつわる現実的な怪談話のことである。その内容とは、「ある女子学生が、一人暮らしをしている自分の部屋に友人の女性を泊めた際、真夜中に突然友人から『一緒に外出したい』と強引に誘われるのだが…」というものである。この怪談話にはいくつかの派生型があり、現在までにテレビ番組内などにおいて何度か映像化されている。
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「ベッドの下の男」の内容

「ベッドの下の男」には複数の派生型が存在するが、その主な内容とは下記の通りである。

あれは私が大学に入ってから、2ヶ月ほど経った頃のことでした。

私はこの春、大学受験に合格して第一志望の大学へと入学することができました。そして、実家を離れ、東京で念願の一人暮らしをすることになりました。不安も多かったのですが、やがて大学にも一人暮らしにも少しずつ慣れていきました。

そんな頃、昔からの親友であるB美が、私のアパートへと遊びに来ることになりました。お互い、同じ東京の大学へと進学したのですが、入学してからは二人とも忙しかったので会うことがなかったのです。そんなこともあって、私は久しぶりにB美に会えることをとても楽しみにしていました。

その日、B美は約束通り、私のアパートへとやってきました。しばらく会っていませんでしたが、全く変わっていないB美に少し安心しました。

「こんにちは、A子。久しぶりだね」

「うん、久しぶり。部屋にあがってよ」

私はB美を部屋にあげました。そして、お菓子とお茶を出し、B美とお喋りを始めました。会っていなかった期間が、たったの2ヶ月だとはいっても、二人とも別々の大学に入学したので次から次へと話題は尽きません。

「もう、夕食の時間だね。A子、この辺にどこか美味しいお店ないかな?」

「そうだね。最近パスタの美味しいお店を発見したから、そこに行ってみようか?」

私とB美は部屋を出て、アパートからそれほど遠くないイタリア料理のお店に行きました。そのお店のパスタは美味しくて、B美とのお喋りはますます盛り上がり、結局お店を出た時には、かなり遅い時間帯になっていました。

「もう、こんな時間になっちゃったね」

「うん、いろいろ話したもんね。A子が行った通り、お店のパスタが美味しかったから」

B美がお店を褒めてくれて、私は何だか嬉しくなりました。

「私、そろそろ乗らなきゃいけない電車が行っちゃう時間だよ」

B美は腕時計を見ながら、少し焦っていました。電車に乗り遅れると帰れなくなってしまうのです。

「B美、明日何にも予定がないなら、私の家に泊まっていきなよ」

せっかく遊びに来たのに、このままB美を帰してしまうのが勿体無い気がした私は、そう提案しました。

「そうだね。明日はお休みだし、A子の部屋に泊めてもらおうかな」

話がまとまったところで、また私の部屋へと戻りました。それからも二人の好きなテレビを見たりしているうちに眠たくなってきたのでそろそろ寝ることにしました。私はベッドで眠り、B美はベッドの横に布団を敷いて眠ることにしました。電気を消した後、私はB美と話し疲れたのか、すぐにウトウトし始めました。

しかし、電気を消してから10分ほど経った頃、B美が私の身体を揺さぶったので目が覚めました。

「A子…、コンビニに行かない?」

「うーん…。B美、いきなり何言ってるの…?」

私は急に起こされてそんなことを言われたので、少し不機嫌そうに言いました。

「いいじゃん、行こうよコンビニ。私、急にアイスが食べたくなっちゃった…」

「一人で行けばいいじゃん…。それにコンビニなら、さっきのイタリア料理の三つ隣に…」

「いいから行こうよ、A子」

私の話をさえぎって、B美はさらに言います。コンビニなら、さっき行ったイタリア料理屋さんの三つ隣にあったんです。お店を出る時、B美だってそのことに気づいていたはずなのです。B美が、こんなにわがままな人だとは思っていませんでした。大学入って全然変わっていないと感じていたのは、ただの思い違いだったのかな、と私は自分を疑いました。

「しょうがないなあ…。コンビニ、行けばいいんでしょ…」

「A子、ありがとう」

私はB美のわがままにあきあきしながらも、コンビニへと行くことにしました。部屋を出てアパートの階段を下りると、いきなりB美が私の手を凄い力で握り締め、一気に走り出しました。私は驚いて手を握られたまま、B美と同じように走る格好になったのです。

「B美、さっきからひどいよ。それにコンビニに行くんでしょ。こっちは駅の方向だよ?」

いきなり起こされたり、一緒に走らされたり、私はもう我慢の限界でした。

「大きな声を出さないで。今から駅前にある交番に行くの」

「交番?何で交番に行くの…?」

そして、B美はこう言ったのです。

「私見ちゃったの。A子のベッドの下に、包丁を持った男が隠れているところを…」

いくつかの派生型

この「ベッドの下の男」の話には様々なバリエーションが確認されており、例えば「部屋に泊めたのが友人ではなく、自分の姉妹だというもの」、「男が包丁ではなく、斧や鎌を持っていたというもの」、「男が隠れている場所がベッドの下ではなく、クローゼットや押入れの中だというもの」などがある。

またテレビ朝日によって放送されていたオムニバスドラマ番組「ココだけの話」や、東京都渋谷区を舞台としたホラー映画「渋谷怪談」などでこの話は何度か映像化されている。

その真相とは?

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2001年1月18日、東京都の中野区にて、ある女子大生の部屋にストーカーの男性が忍び込み、ベッドの下に隠れていたところを発見されて逮捕されるという事件が発生した。しかし、この「ベッドの下の男」の話が囁かれ始めた1990年代以前には、日本国内でベッドの下に隠れていた男性が逮捕されるというような事件が報道された記録などは確認されていない。

しかし、アメリカ合衆国では日本でこの話が広まる以前から同じような内容の都市伝説が存在しており、1912年には、その名も「ベッドの下の男(The man under the bed)」という映画が製作・公開されていたことが確認されている。また一説では、1997年に公開されたホラー・スリラー映画「ラストサマー」のワンシーンをもとにして作られた創作話だとも言われており、恐らく、アメリカ合衆国から伝わった話が、日本人によって部分的にアレンジされて広まってしまったものである可能性が高いと考えられる。

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管理人から一言

寝る前には、歯磨きとベッドの下の確認を忘れずに…。