201603010101

1996年8月13日、ロシアのウラル山脈東部にある、カオリノヴィという小さな村に住んでいた高齢の女性タマラ・ヴァシリエフナ・プロスヴィリナは、自宅の近くにある墓地で謎の生物を発見する。その生物は小さな人間のような姿をしており、頭部は五枚の花びらを重ねたようなタマネギ型の形をしていた。タマラはその生物を神様からの自分への贈り物だと受け止め、「アレシェンカ」と名付けて一緒に暮らし始めたのだという。今回は、そんな「老婆に育てられた、小さな宇宙人」として知られている、謎の生物「アレシェンカ」の真相に迫る。
スポンサーリンク

「アレシェンカ」の発見

1996年8月13日、ロシアのウラル山脈東部にある、都市チェリャビンスクのカオリノヴィという小さな村にタマラ・ヴァシリエフナ・プロスヴィリナという高齢の女性が住んでいた。タマラには夫と子供がおらず、長い間、精神疾患を患いながらも年金を受給して細々と暮らしていた。

その日、タマラは日課としていた自宅の近くにある墓地での花摘みの後、夕食を食べてベッドに入った。その時、突然タマラの頭の中に「今すぐ、墓地へと来るように」という不思議な声が響いたのだという。このことに驚いたタマラは急いで着替え、懐中電灯を片手に墓地へと向かった。

そして、タマラは墓地の一箇所で小さな人間のような姿をした謎の生物が立っているのを発見する。その生物は体長が約25cmほどしかなく、頭部は五枚の花びらを重ねたようなタマネギ型の形をしており、非常に大きな目を持っていた。その全身には体毛が一切生えておらず、全体的に暗い灰色のような色をしていた。

タマラは、その生物を一人で寂しく暮らす自分への神様からの贈り物だと受け止め、自宅へと連れ帰り、一緒に暮らし始めたのだという。その生物には、「アレシェンカ」という名前がつけられた。

「アレシェンカ」の特徴

201603010102

タマラの観察による、「アレシェンカ」の特徴とは下記の通りである。
  • 体長は約25cmほどであり、身体の割合に対して頭部が大きかった
  • 頭部は五枚の花びらを重ねたような、タマネギ型の形をしていた
  • 非常に大きな目を持っていたが、瞼などはなく、瞳孔が開いたり閉じたりしていた
  • 口・鼻・耳などは見当たらず、それぞれの箇所には小さな穴が開いているだけだった
  • 口元にある小さな穴は広げることができ、口内には小さな歯と異常に長い舌があった
  • 身体は全体的にゼリー状であり、丸々と太っていて動くたびに揺れていた
  • 手足の指は四本ずつあり、小さな爪がついていた
  • 性別を示す性器や、哺乳類の腹部にあるヘソなどはなかった
  • 声を発することはなく、時々静かな笛のような音を出すだけだった
  • 汗をかくことがあり、その匂いはどこか甘く良い香りがした

「アレシェンカ」の死

201603010103

しかし、タマラとアレシェンカの奇妙な共同生活は長くは続かなかった。タマラが村人たちに「私には、アレシェンカという名前の可愛い子供ができた」と言い回っていたため、ある日、タマラの気が変になったと考えた村人の一人が、精神科医であるタマラの主治医に連絡したことにより、タマラは閉鎖病棟へと強制的に入院させられることになったのだ。

タマラは医師や看護師たちに「自宅には、私の子供が一人で置き去りになっている」と必死に主張したものの、誰もタマラの言うことを信じる者はいなかった。それは年齢的に考えて高齢のタマラには子供を出産する能力はなく、また戸籍などの公的な記録にも情報が一切載っていなかったためである。

この時、村人の一人であり、定期的にタマラのもとを尋ねてアレシェンカの姿を観察していたウラジミール・ナルディノフという男性が、タマラが閉鎖病棟へと入院したということを知り、アレシェンカの身を案じて急いでタマラの自宅へと向かった。ナルディノフは誰もいない部屋へと入り込むと、そこにはすでに息絶え、ミイラ化したアレシェンカがベッドに横たわっていた。

とりあえず、ナルディノフはミイラ化したアレシェンカの亡骸を自宅へと持ち帰ることにした。しかし、それから間もなく、ナルディノフの自宅に警察が尋ねてきた。それはアレシェンカとは関係なく、ナルディノフには隣村から電線を盗んだという疑いがかけられていたためである。この時、アレシェンカの亡骸を発見した警察は、それを小さな子供の遺体だと考えて専門家に鑑定を依頼した。

「アレシェンカ」の鑑定と亡骸の行方

201603010104

その警察側の鑑定の結果、アレシェンカの亡骸からは人間とは明らかに異なる、20もの特徴が見つかった。そのため、現地警察はアレシェンカについては事件性がないものと考え、それ以上の調査は行わなかった。

1996年、「Star Academy UFO-Contact in Zolotov Method」というUFO研究団体が、アレシェンカの調査を行っている。しかし、このUFO研究団体の代表であるガリナ・セメンコヴァという人物によれば、アレシェンカの亡骸を研究施設へと運んでいた際、突然と上空にUFOが現れて車のエンジンが停止し、UFOから姿を見せた宇宙人がアレシェンカの亡骸を引き渡すように要求してきたため、そのままアレシェンカの亡骸を宇宙人に渡してしまったのだという。

1999年8月5日、アレシェンカの発見者であるタマラは、高速道路で車に轢かれて亡くなっている。その時の目撃者によれば、当時タマラはほぼ全裸の状態であり、まるで何かに呼ばれたかのように高速道路へと一直線に向かって行き、そこで車に轢かれたのだという。その数日後には、日本のテレビ朝日の番組スタッフがタマラのもとを訪れ、取材が行われる予定となっていた。

その真相とは?

201603010105

2004年4月15日、UFO研究家のヴァディム・シェルノブロフが、アレシェンカの亡骸を包み込んでいたという血痕のついた布をタマラの遺族から譲り受け、モスクワ遺伝子研究所へとDNA鑑定を依頼した。その結果、布についた血痕からは人間の女性のものと思われるDNAが検出されている。つまり、アレシェンカは決して宇宙人などではなく、あくまで人間の幼い女児だったということがほぼ確定したのである。

恐らく、現実的なシナリオとしては、タマラが最初に聞いた不思議な声の正体は精神疾患による幻聴か、あるいは夢の中のできごとを現実のものと錯覚しただけであり、墓地で親に捨てられたと思われる、早産で奇形のある幼い女児をタマラが偶然発見し、自宅へと連れ帰って一緒に暮らしていたというものが考えられる。その場合、アレシェンカ自体は実際に存在していたため、ウラジミール・ナルディノフなど数人の村人がアレシェンカの生前の姿を目撃していたことは不思議なことではない。

また1996年にアレシェンカの調査を行う際、アレシェンカの亡骸を宇宙人に引き渡したという、UFO研究団体の代表であるガリナ・セメンコヴァの発言については、その翌年の1997年にインターネット・オークションにて「ロシアで発見された、宇宙人のミイラ」というアレシェンカの亡骸にそっくりの物体が出品されており、金銭目的で虚偽の発言をしている可能性が高い。

しかし、現在ではアレシェンカの亡骸が行方不明となっており、アレシェンカの第一発見者であるタマラも亡くなっているため、その真相は不明のままとなっている。

関連動画



管理人から一言

アレシェンカが人間だったとした場合、可哀想な話ですね…。