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「血液型性格分類」とは、人間の体内を流れる血液の分類「血液型」によって、その人物の性格を大まかに分類することができるという性格の分類法のことである。この血液型性格分類では、一般的に広く知られている「ABO式血液型」という血液型の分類法が用いられており、基本的には「A型の人は几帳面な性格」、「B型の人は自己中心的な性格」、「O型の人は大雑把な性格」、「AB型の人は二面性のある性格」などのように分類されることが多い。また血液型によって相手の性格を判断し、相手に不快な思いをさせる行為などは「ブラッドタイプ・ハラスメント」とも呼ばれており、現在社会における大きな問題の一つとなっている。
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「血液型性格分類」とは?

「血液型性格分類」とは、人間の体内を流れる血液の分類「血液型」によって、その人物の性格を大まかに分類することができるという性格の分類法のことである。この血液型性格分類は、1970年代頃からテレビ番組や書籍などで多く取り上げられたことにより、現在では「常識」のようなものとして一般的に広く知られるようになった。また別名「血液型性格診断」、「血液型性格判断」などとも呼ばれている。

この血液型性格分類では、1900年頃にユダヤ人の病理学者カール・ラントシュタイナーによって発見された、「ABO式血液型」という血液の分類法が用いられている。このABO式血液型では、血液に含まれる赤血球の表面抗原によって、血液を「A型」、「B型」、「O型」、「AB型」の四つに分類している。

また血液型によって相手の性格を判断し、相手に不快な思いをさせる行為などは「ブラッドタイプ・ハラスメント」とも呼ばれている。過去に大阪府のある企業が、採用試験の応募用紙に血液型の記入欄を設けていたために大阪労働局から行政指導を受けたこともあり、現代社会における大きな問題の一つとなっている。

「血液型性格分類」による性格の分類

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この「血液型性格分類」による性格の分類は、主に下記の通りである。

A型
  • 真面目で几帳面な性格であり、少し神経質なところがある
  • 他人の気持ちを敏感に感じ取ることができる
  • 清潔で綺麗好きであり、ごちゃごちゃした状況を嫌う
  • 物事をはっきりと区別したがり、中途半端なままでは先へ進めない
  • 何事にも持続性があり、最後までしっかりとやり遂げる
  • 常に慎重的であり、不必要な争いごとを避けたがる

B型
  • 自己中心的な性格であり、良くも悪くもマイペースである
  • 他人に気取るところがなく、人懐っこくて誰にでも心を開く
  • 寂しがり屋なところがあり、仲間外れをとても恐れる
  • 他人の常識には捕らわれず、自由奔放で規則を破ることがある
  • 夢を追い求めることはなく、柔軟な考え方を持つことができる
  • 遊び好きであり、数多くの恋愛を経験する

O型
  • 大雑把な性格であり、視野が広く、小さなことにはこだわらない
  • 他人への警戒心が強いが、一度心を開くと面倒見が良い
  • 現実的な考え方を持っており、ロマンチストなところがある
  • 目的に向かって直進することが多く、常に野心を抱いている
  • 他人への愛情が深く、その半面で独占欲がとても強い
  • 一攫千金を夢見るところがあるが、基本的には堅実なやり方を好む

AB型
  • 二面性のある性格であり、どこまでも理想を追求する
  • 他人との干渉を嫌い、掴みどころのないクールなところがある
  • 世俗的な欲望が希薄であり、私生活を大切にする
  • 繊細で傷つきやすく、少しメルヘンチックなところがある
  • 博識な人が多く、常にユニークな発想する
  • 読書家が多く、恋愛ではさっぱりとしている

その真相とは?

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まず、現在までに人間の血液型と性格の関係性を裏付けるような科学的な根拠などは一切見つかっていない。そのため、この「血液型性格分類」という性格の分類法は科学的には認知されておらず、「疑似科学の代表」として挙げられることが多い。

また血液型性格分類が広く知られているのは、主に日本をはじめとする、韓国や台湾などのアジア諸国の一部の国々だけであり、その他の広い地域では「アジア地域特有の不思議な文化」として紹介されることがある。しかし、その反面で星座によって性格を判断する習慣のある国々は、世界中に多く存在している。

この血液型性格分類が1970年代頃から日本で広まった理由としては、下記の三つのことが考えられる。

1. バーナム効果
「バーナム効果」とは、一般的で曖昧な内容が、自分だけに当てはまる具体的で適切な内容だと思い込んでしまうという心理現象のことである。つまり、四つの血液型ごとに別けて書かれている特徴は、全ての人間の性格に当てはまる可能性のある特徴をただグループ化して並べているだけであり、自分の血液型の特徴を見た際にそれが自分に当てはまっているように思い込みやすくなる。


2. 確証バイアス
「確証バイアス」とは、一つの仮説を検証する際、その仮説を支持する情報のみを集め、無意識のうちに反証する情報を見逃してしまうという傾向のことである。つまり、「A型の人は几帳面な性格である」という思い込みを持った状態では、A型の人の几帳面な部分ばかりが目に付き、結果的に「A型の人は几帳面な性格である」という仮説を支持する傾向が強くなる。


3. 予言の自己成就
「予言の自己成就」とは社会心理学用語の一つであり、予言を行った本人、あるいは予言を聞いた別の何者かが、その予言に沿った行動を取ることによって、結果的に予言が的中することである。つまり、「A型の人は几帳面な性格である」という情報を得たA型の人は、「自分は几帳面な性格をしている」という思い込みを持ちやすくなり、無意識のうちに几帳面な行動を取ることが多くなるため、結果的に「A型の性格」という一つの枠に収まりやすくなる。


しかし、この血液型性格分類については、そもそも「性格」というものの性質が不明瞭であり、科学的には捉えにくいものであるため、この性格の分類法を否定するための研究や実験などはあまり行われていないというのが現状である。そのため、この「現代科学の弱点」を突いたような、「人間の血液型と性格の関係性」を取り上げたセンセーショナルなテレビ番組や書籍などは多く存在しており、今後もこのような疑似科学が完全に消滅することはないものと思われる。

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管理人から一言

自分はO型ですが、実は当たっているように思えてしまったり…。いかん、いかん。