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「藤沢 悪魔払いバラバラ殺人事件」とは、1987年2月25日に神奈川県の藤沢市にあるアパートの一室にて発覚した、二人の男女が一人の男性を悪魔払いの末に殺害し、バラバラに解体したという猟奇殺人事件のことである。この事件は、加害者である男性の知人から通報を受けた藤沢北警察署の警察官が、その現場であるアパートの一室へと踏み込んだことによって発覚している。その時、加害者である二人の男女は、室内にはテープレコーダーから音楽が流れる中、「悪魔…悪魔…」などとうわごとのように呟きながら、一心不乱に遺体を解体し続けていたのだという。現在、この事件は日本国内では有数の猟奇殺人事件の一つとして数えられている。
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この事件に関与した人々の人物像

ここでは加害者である二人の男女をそれぞれ「男性A」・「女性B」とし、被害者である男性を「男性X」とする。この男性Aと男性Xはいとこ同士であり、また女性Bと男性Xは夫婦という関係だった。

  • 男性A
加害者である男性Aは、横須賀市内の定時制高等学校を卒業した後、両親が経営している不動産会社の手伝いなどをしながら生活をしていた。しかし、1979年には宝石の取り引きに関連する詐欺事件を起こしており、一度逮捕されている。その後も、横須賀市内にて地上げに関連する詐欺まがいのトラブルをいくつも起こしていたことがわかっている。男性Xとはいとこ同士であり、自宅が二軒隣だったため、幼い頃から仲が良く、男性Xは男性Aのことを「兄貴」などと呼んで慕っていたのだという。また男性Aが某新興宗教へと入信した際には、男性Xも「兄貴が入信するなら」という理由で後に入信している。

  • 女性B
加害者である女性Bは、中学三年正の時に秋田県から神奈川県の横浜市へと引っ越してきた。女性Bは中学校を卒業した後、鎌倉市にある総合病院で勤務しながら、准看護師の資格を取得している。その後、正看護士の資格を取得するため、総合病院での勤務を続けながら定時制高等学校に通い、高卒資格を取得した。1979年頃、准看護師をしていた女性Bは、男性Xの弟がバイク事故によって総合病院へと入院した際に男性Xと出会い、それをきっかけに交際を開始した。女性Bは男性Xの勧めもあり、1979年に某新興宗教へと入信したが、1986年には脱会している。1986年4月、女性Bと男性Xは結婚している。

  • 男性X
被害者である男性Xは、ロックバンド「スピッツ・ア・ロコ」のメンバーであり、1983年6月には「キープ・オン・ラブ」、「愛論人(アイロンマン)」という二枚のシングルと「人情」という一枚のLP盤をリリースしていた。このロックバンドは、主に神奈川県の横浜市や横須賀市にあるライブハウスを中心として活動しており、男性Xはドラムを担当していた。男性Xは男性Aの勧めもあり、1974年に某新興宗教へと入信したが、1985年には脱会している。このロックバンドは、1987年1月にはテレビ神奈川の番組にも出演しており、その容姿から男性Xは「和製マイケル・ジャクソン」などと呼ばれていたという。

事件発覚までの経緯

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1986年10月、男性Aは一時的に埼玉県で暮らしていたが、神奈川県へと帰ってきた際、藤沢市にあるアパートの部屋を借りて一人暮らしを始めている。男性Aは神奈川県へと帰ってくると、女性Bと男性Xの夫婦のもとを訪れ、「この世の中は悪魔でいっぱいだ」、「男性Xは音楽を使い、この世から悪魔を追い払うために生まれてきた神の使いだ」、「悪魔を払い、『救世の曲』を作ることができるのは、男性Xしかいない」などと意味不明な発言を繰り返した。もちろん、かつて女性Bと男性Xが入信していた某新興宗教には、そのような教義は一切存在していなかった。

しかし、この時、男性Xは男性Aの言うことを信じることになり、1987年2月15日から女性Bとともに男性Aの藤沢市にあるアパートへと住み着き、部屋に閉じこもって救世の曲を作り始めた。この時、男性Xのバンドメンバーと女性Bの両親が、自宅に帰るようにと二人を説得しているが、二人がその説得に応じることはなかった。

1987年2月19日、この異様な事態を深刻に受け止めた男性Xのバンドメンバーと女性Bの両親が、男性A・女性B・男性Xと話し合いを行っている。その結果、女性Bは横浜市にある実家にて暮らすことになった。この時、女性Bの両親が女性Bに対して男性Xと離婚するようにと説得しているが、女性Bは「この世から悪魔を追い払わないと…」などと呟くだけだったという。

しかし、翌日の1987年2月20日、男性Xは「僕には、悪魔が取り憑いている」などと不可解なことを口走るようになった。男性Xは、自らが加わっているロックバンドに解散の話が出ていること、女性Bとの間に離婚の話が挙がっていることなどの原因は、全て自分に悪魔が取り憑いているためだと考えていたのだ。この時、男性Xのことを心配した女性Bが、実家から藤沢市にあるアパートへと戻ってきている。

1987年2月22日の午後、男性Aと女性Bは三本のロウソクが立てられた小さな祭壇を用意し、男性Xのための「悪魔払いの儀式」を開始した。その儀式の内容とは、にらめっこをしたり、男性Xの身体に塩をすり込むなどというものだった。結果的には悪魔払いの効果が見られなかったため、男性Aと女性Bは「肉体が死ななければ、悪魔は出て行かない」という考えに至り、男性Xの首を絞めて殺害した。この時、二人は悪魔を追い払えば、男性Xは生き返るものと本気で信じ込んでいたのだという。

事件の発覚と現場の状況

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1987年2月25日の午後、男性Aの知人が藤沢市にあるアパートへと男性Aを尋ねた際、そこには男性Xの頭部・胴体・四肢をバラバラに切断し、一心不乱にノミやノコギリなどを使って遺体を切り刻んでいる男性Aと女性Bの姿があった。その男性Aの知人は、急いで藤沢北警察署へと通報した。

男性Aと女性Bは、男性Xの頭部や内臓などに悪魔が取り憑いているものと信じ込んでおり、男性Xの殺害後から約三日間、室内にはテープレコーダーから「救世の曲」が流れる中、二人は不眠不休の状態で骨にこびり付いた肉を削り取っていたのだ。警察官が駆けつけた後も、二人は「悪魔…悪魔…」などとうわごとのように呟きながら、決して手を休めることはなかった。

男性Xの頭蓋骨には大量の塩が詰め込まれており、室内の辺り一面に散乱した肉片はどこの部位のものか判別ができないほど細かく切り分けられていた。その肉片や内臓の一部は台所の排水溝から外へと流されており、このアパートの付近にある下水道には、全ての肉片を回収することが難しいほど遠くに流されていた肉片もあったのだという。

この事件の裁判の行方

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この事件の裁判では、男性Aと女性Bが感応精神病を発症していた可能性が高く、二人の精神鑑定に重点が置かれていた。「感応精神病」とは、一人の妄想が別の人物へと感染することにより、複数の人物の間で同じ妄想を共有するという妄想性障害の一つのことである。

その精神鑑定の結果は、鑑定人によって判断が大きく異なったものの、最終的には「二人には善悪を判断する能力があった」という結論に至っている。そして、1992年5月13日、横浜地方裁判所は精神鑑定の結果などを踏まえた上で、男性Aに懲役14年、女性Bに懲役13年の刑を言い渡した。男性Aは控訴したものの、東京高等裁判所にて控訴棄却となり、刑が確定した。また女性Bは控訴しなかったため、そのまま刑が確定している。

関連動画

この動画は、チェーンソーを持った殺人犯を装って、何も知らない通行人を追いかけるというドッキリ企画の映像である。あまりにも本格的過ぎるため、そのまま本当の事件へと発展してしまいわないか心配である。



管理人から一言

当時、この事件は報道規制されていた可能性もありますね…。