201603230101

「消えるヒッチハイカー」とは、アメリカ合衆国を中心として語られている、ヒッチハイクをしている女性にまつわる怪談話のことである。その内容とは、「ある男性が車を運転していると、道端でヒッチハイクをしている若い女性を見つけた。その男性は女性に声をかけ、車の後部座席に女性を座らせて、その目的地へと向かった。そして、その目的地の場所へと到着し、後部座席の方を振り向くと、そこにいるはずの女性が姿を消していた」というものである。この話には複数の派生型が存在しており、日本国内では「タクシーの幽霊」という類似した話が確認されている。
スポンサーリンク

「消えるヒッチハイカー」の内容

この「消えるヒッチハイカー」という怪談話には複数の派生型が存在するが、その主な内容とは下記の通りである。

ある日の夜、一人の男性が自宅へと帰るために、車を運転して帰路に着いていた。

その帰り道の途中、男性は一人の若い女性が道端でヒッチハイクをしているところを見つけた。夜に人通りの少ない田舎道でヒッチハイクをしている女性のことを男性は不審に思いながらも、路肩に車を止めてこのように声をかけた。

「僕の車でよければ、目的地までお送りしましょうか」

その女性は小さく頷き、車の後部座席に座った。その女性の目的地は、ここから約5,000メートルほど離れたところにある、兄の家なのだという。

しばらくの間、二人は世間話などをしていたが、目的地へと近づくに連れて次第に女性の口数が減っていった。その男性は深夜に近い時間帯ということもあり、きっと女性は疲れて眠たくなってきたのだろうと考えていた。

そして、その女性の目的地の場所へと到着し、男性が後部座席の方を振り向くと、そこにいるはずの女性は姿を消していた。この不思議な出来事に男性はとても驚いたが、そのまま帰宅するのでは納得がいかない。そのため、男性はその家を訪問して、そこに住む男性に一連の出来事についての一部始終を話した。

すると、その男性は特に驚いた様子もなく、このように言った。

「きっと、それは2年前に亡くなった僕の妹だよ。だって、妹を道端で拾ってここまで送ってくれたのは、君で7人目なんだから」

いくつかの派生型

この「消えるヒッチハイカー」の話には様々なバリエーションが確認されており、例えば「目的地が兄の家ではなく、墓地だというもの」、「車に乗せた相手がヒッチハイカーの女性ではなく、道に迷っていた女性だというもの」、「その日は女性が亡くなった命日だというもの」などである。

また日本国内では「タクシーの幽霊」という、この話に類似した怪談話が確認されている。その話の内容とは、「ある日の深夜、タクシーの運転手が東京都にある青山霊園にて、一人の若い女性客を車に乗せた。目的地である女性の自宅へと到着すると、その女性は『自宅に財布を忘れてきたため、取って戻ってくる』と言う。しかし、運転手がどれだけ待っても、自宅から女性が現れる気配はない。耐えかねた運転手がその家を訪問すると、その女性の家族の者と思われる年配の女性が現れ、『あなたが車に乗せた女性客というのは、すでに亡くなっている私の娘のことかもしれない』と告げられる」というものである。

その真相とは?

201603230102

この「消えるヒッチハイカー」という話ついては、カナダやドイツ、ヨーロッパなどの多くの国々で類似した話が確認されており、その時代に応じて乗り物も変化している。古くは18世紀のイギリスにて、馬車に乗せた客がいつの間にか消えていたという話が語られていたことが確認されており、また日本国内でも、1677年に刊行された日本の怪談集「諸国百物語」の中において、駕籠に乗せた客が実は幽霊だったという話が収録されている。そのため、この話の初出を調べることは難しく、その詳細は不明のままとなっている。

心理学者の中村希明は、1994年10月に出版された著書「怪談の心理学 学校に生まれる怖い話」の中において、「その乗り物が自動車である場合、『高速道路催眠現象』が一つの原因として考えられる」と指摘している。この「高速道路催眠現象」とは、高速道路などの単調な風景が続く道を車などで走行中に、その運転者が眠気などを催すという現象のことである。しかし、この現象によって車の運転者が幻覚・幻聴を見聞きしていたという解釈をすることは可能かもしれないが、実際にその相手を車に乗せたという事実については説明することが難しい。

この話では、基本的には車の運転者に悪いことが起きることはないため、少し考えさせられるような、どこかしんみりとした怪談話の一つとして、現在でも世界各国の広い地域で語り続けられている。

関連動画



管理人から一言

夜に、若い女性のヒッチハイカー。いいじゃないですか…。