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「スーパーサイズ・ミー」とは、2004年5月7日に公開された、アメリカ人の映画監督モーガン・スパーロックによるドキュメンタリー映画のことである。その映画の内容とは、「スパーロック自身が、『30日間もの間、1日3回マクドナルドが販売しているファーストフードだけを食べて生活をする』という実験を行い、そのスパーロックの身に起こった身体的・精神的な影響などを記録する」というものである。この「スーパーサイズ・ミー」という映画のタイトルは、「俺を特大サイズにしてくれ」という意味であり、その後、この映画はドキュメンタリー映画としては異例の大成功を収めることになった。
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この映画の登場人物

この「スーパーサイズ・ミー」というドキュメンタリー映画における登場人物は、主に下記の通りである。

  • モーガン・スパーロック
このドキュメンタリー映画の主人公であり、ウェストバージニア州出身の当時33歳の男性である。実験開始前の身体データは、身長188センチメートル、体重84キログラム、体脂肪率11%、体格指数23.7となっており、運動能力・身体能力は同年代のアメリカ人男性の平均値を上回っていた。また健康状態には全く問題はなく、医師からは心身ともに理想的な状態だと言われていた。

  • アレクサンドラ・ジャサミン
スパーロックのガールフレンドであり、この実験の開始から終了まで一貫して「ベジタリアン主義」を貫いている女性である。ジャサミンは野菜に対して人一倍強いこだわりを持っており、マクドナルドのポテトについて「遺伝子組み換えのものばかり」と発言するなど、ファーストフードに対しては不健康な悪いイメージを持っている。

  • ダリル・アイザック
スパーロックが実験を行うに際して協力を依頼した、三人の医師の一人である。実験開始前、内科医のアイザックはスパーロックの多重とコレステロール値が増加し、気分が悪化することを予測していたが、サラダなどを食せば大きな問題は起こらないだろうと考えていた。

  • リサ・ガンジュ
スパーロックが実験を行うに際して協力を依頼した、三人の医師の一人である。実験開始前、胃腸病の専門医であるガンジュは、中性脂肪とコレステロール値が増加することを予測していた。またスパーロックの親族に心臓病を持つ者がいる場合、遺伝的な要因によって病気を発症する恐れがある可能性を示唆していた。

  • スティーブン・シーゲル
スパーロックが実験を行うに際して協力を依頼した、三人の医師の一人である。実験開始前、心臓病の専門医であるシーゲルは、スパーロックの中性脂肪が増加することを予測していたが、塩分は腎臓が処理し、脂肪は肝臓が代謝するだろうと考えていた。

  • ブリジット・ベネット
スパーロックが実験を行うに際して、協力を依頼した管理栄養士である。実験開始前、スパーロックの身体データから理想的な1日あたりのカロリー摂取量を2,500キロカロリーと算出し、脂肪は80グラムまでに制限するようになどアドバイスをしていた。

  • エリック・ローリー
管理栄養士のベネットと同じ健康機関に所属している運動生理学士である。実験開始前、スパーロックの運動能力・身体能力の検査を担当していた。

  • ジョン・バンザフ
ジョージ・ワシントン大学にて法律学を専攻している教授である。タバコ会社を相手取った訴訟で勝利したことをきっかけに世間から注目を集めるようになり、マクドナルドを相手取った訴訟を担当している弁護士に知識を提供している。

  • デビッド・サッチャー
米国公衆衛生総局の元長官である。アメリカ国内における、肥満問題の主な要因はファーストフードにあると考えており、マクドナルドを中心としたファーストフード店の販売メニューが、全てスーパーサイズになることを危惧している。

  • リサ・ヤング
ニューヨーク大学にて栄養学を専攻している教授である。アメリカ人が考える平均的な一切れの肉は85グラムとされているが、アメリカ国内でのレストランなどでは、その約5倍ほどの大きさのステーキなどがメニューに並んでおり、近年のアメリカ国内における食品の巨大化を危惧している。

この実験の動機

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スパーロックがこの実験を行うに至った動機としては、まず、以前からアメリカ国内において「肥満」が深刻な社会問題の一つとなっており、その肥満が原因と見られる糖尿病や心臓麻痺で亡くなる人々が増加傾向にあることが指摘されていたという背景がある。

そんな中、あるアメリカ人の二人の少女が「自分が肥満になった原因は、マクドナルドが販売しているファーストフードにある」としてマクドナルドを相手取って訴訟を起こし、その一連の事件がアメリカ国内の人々の間で話題になっていたということにあった。

結局、この訴訟については裁判所に却下され、マクドナルド側の勝利に終わったが、スパーロックは「本当に肥満問題とファーストフードの間には、何も因果関係が存在しないのか」という疑問を抱き、自らが実験体となってその真実を明らかにしようと考えたのだ。

この実験のルール

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この実験を行うに際して取り決められたルールは、下記の通りである。
  • 実験開始前には、スパーロックが完全に健康な状態であることを証明するために三つの病院にて検査を行い、実験中も定期的に医師の検査を受ける
  • 30日間の実験中は、マクドナルドのメニュー以外のものは水を含めて一切口にしてはいけない
  • アメリカ人の平均的な一日の運動量をもとにして、歩行距離は一日2,500歩までに制限する
  • 30日間の実験中、マクドナルドの全てのメニューを最低でも一度は食べる
  • 一度注文したものは、基本的に残さずに食べ切る
  • 定員に「スーパーサイズにするか」と聞かれた際には、必ず「イエス」と答える

この実験の記録

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この実験における、スパーロックの身体的・精神的な変化などの記録は、下記の通りである。

  • 実験開始から2日目
この日、スパーロックは人生で初めてスーパーサイズを食べることになった。そのスーパーサイズのあまりの量に最初は「マックしゃっくり」、「マックぶくぶく」、「マック屁」などとふざける余裕があったものの、次第に苦しみ始め、最終的には嘔吐している。翌日の実験開始から3日目には、胃の不調を訴え、同時に陰茎に不快な違和感があると発言している。

  • 実験開始から5日目
実験開始前に比べて体重が5キログラム増加し、躁うつ病のような状態へと陥った。また胸に圧迫感を感じるようになり、マクドナルドのファーストフードが近くに見当たらないと倦怠感や頭痛を覚えるなどの中毒症状が現れ始めた。またスパーロックのガールフレンドであるジャサミンは、スパーロックの性欲・精力が減退していることを指摘している。

  • 実験開始から20日目
スパーロックは動悸を感じるようになり、内科医のアイザックに相談すると「スパーロックの肝臓は、フォアグラのように脂肪肝になり始めている」という回答が得られた。この時点では、スパーロックの健康状態は実験開始前に比べてひどく悪化しており、三人の医師は「いつ、救急車で運ばれてもおかしくはない」とドクターストップを宣告しているが、スパーロックはそれらの忠告を振り切って実験を継続している。

  • 実験開始から30日目
最終的にスパーロックは実験を成し遂げ、この実験中には合計で9回スーパーサイズを注文することになった。実験開始前に比べ、体重は11キログラム増加して95キログラムとなり、体脂肪率は7%増加して18%となった。また体格指数は4.3増加して27となっていた。それに加え、躁うつ状態と性欲減退、また深刻な肝臓の炎症を起こしていた。そのため、三人の医師がスパーロックの健康状態の悪化の度合いに驚愕の声を上げるほどだった。


この実験の終了後、スパーロックの体重が実験開始前の84キログラムへと戻るまでには、1年2ヶ月という長い期間を要することになった。スパーロックのガールフレンドであるジャサミンは、「解毒食」を作ってスパーロックの健康状態の回復を手助けしており、この解毒食については後に「ザ・グレイト・アメリカン・デトックス・ダイエット」という書籍が出版されている。

映画公開後の影響

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この「スーパーサイズ・ミー」というドキュメンタリー映画が、2004年5月7日に公開されると全米興業収益のトップ10に2週間もの間載ることになり、ドキュメンタリー映画としては異例の大成功を収めることになった。その後、この映画は、アカデミー賞の優秀ドキュメンタリー映画部門にもノミネートされている。そして、サンダンス映画祭にてこの映画が上映されると、マクドナルドはスーパーサイズの廃止と健康的なメニューを新たに開発・販売していくことを決定した。

しかし、同時にこのドキュメンタリー映画で行われた実験の内容については、いくつかの疑問の声などが挙げられている。

例えば、「この実験では空腹ではなくても、必ず1日3回食事を取らなければいけないこと」、「スパーロックが、成人の理想的な1日あたりのカロリー摂取量である、2,000~2,500キロカロリーを大幅に上回るカロリーを摂取しながら、無理やり運動量を制限していたこと」などの理由から、マクドナルドが販売しているファーストフードに関わらず、どの食品でも健康状態が悪化するのは当然のことであるという意見がある。

また「この実験の内容と肝臓障害との因果関係が、はっきりと明確にされていないこと」、「性欲・精力が減退した原因は、スパーロック自身の思い込みが反映された可能性が高いこと」など、この実験における不明確な点について様々な指摘がされている。

そのため、当たり前のことかもしれないが、その食品が何であっても同じもの長い期間食べ続けるということは、健康的には良くないことだと言えるだろう。

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管理人から一言

1ヶ月間、お寿司だけを食べて生活したら…。すごく痩せそうです…。