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大分県の宇佐市にある、真言宗の小さな寺院「十宝山大乗院」。この寺院は、別名「一鬼取十宝山大乗院」とも呼ばれており、その本堂には体長が2メートル近くある、巨大な鬼のミイラが祀られている。この鬼のミイラは体育座りのような姿勢で納められており、2本の角が生えた大きな頭部を持ち、手足の指の本数は3本だけという、いくつかの人間とは異なるような特徴を有している。この鬼のミイラは、1930年頃に十宝山大乗院へと持ち込まれたものであり、この寺院に安置されるまで「鬼の祟り」と思われるような不吉な現象を引き起こしていたものとされている。今回は、そんな全国各地から多くの参拝者が訪れるという、この鬼のミイラの真相に迫る。
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「十宝山大乗院」とは?

「十宝山大乗院」とは、大分県の宇佐市四日市にある、小さな民家のような外観をした真言宗の寺院のことである。この寺院は、別名「一鬼取十宝山大乗院」とも呼ばれており、この「一鬼取」とは古い時代にこの辺りで使われていた地名の名残だとされているが、その由来の詳細などはわかっていない。

この寺院は宇佐市の豊前善光寺駅から車で約15分ほどのところにあり、108段の急勾配な石造りの階段を登った小高い丘の上にある。現在、この寺院には住職はいないものの、基本的には午前9時から午後4時までの間、本堂の扉は開けられた状態となっているため、自由に参拝することが可能となっている。

鬼のミイラが安置された経緯

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十宝山大乗院の先代の住職が語っていたという、この鬼のミイラが安置された経緯とは下記の通りである。

もともと、この鬼のミイラは古い時代に、ある名家にて家宝として代々伝わっていたものだった。しかし、何らかの理由により、その名家が鬼のミイラを手放すことになったのだという。その後、この鬼のミイラは何人もの人々の間を渡り歩き、1925年にこの寺院の檀家が、ある人物から買い取ったのだという。この時の売渡証書は現在でも残されており、その品名は「鬼形骨」、金額は当時の5,500円(現在の300万円に相当)だと記されている。

しかし、この檀家は鬼のミイラを買い取った後、原因不明の病気にかかってしまう。この時、檀家は「この病気は、鬼の祟りによるものなのではないか」と考え、1930年頃にこの寺院の先代の住職に鬼のミイラを引き取ってもらうことにした。その後、檀家の体調は見る見るうちに回復していき、あっという間に病気は治ってしまったということである。

鬼のミイラの特徴

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この十宝山大乗院に安置されている、鬼のミイラの特徴とは下記の通りである。
  • 体長は約2メートルほどであり、手足の指の本数は3本だけである
  • 肌の色は灰褐色であり、目元は落ち窪み、開かれた口からは歯が剥き出しになっている
  • 体育座りのように両手を組み、両足を折り曲げた姿勢で納められている
  • 長さが約30センチほどの大きな頭部を持っており、そこには約5センチほどの2本の角が生えている
  • 全体的に表面のひび割れが激しく、骨のような物体がむき出しになっている箇所がある

その真相とは?

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1940年代頃、この鬼のミイラについては九州大学によって科学的な調査が行われている。その調査の結果、この鬼のミイラには人間の女性のものと思われる骨が含まれていることが判明しており、「人間を含め、複数の動物の骨などを組み合わせて製作されたものなのではないか」という結論に至っている。

2002年6月23日に放送された、日本テレビのバラエティ番組「特命リサーチ200X」において、この鬼のミイラが取り上げられている。その放送回では、麻布大学にこの鬼のミイラの調査を依頼しており、X線撮影を使用した細かな分析が行われた。その調査の結果、この鬼のミイラの歯は馬の歯であり、頭部の2本の角は頭蓋骨から生えているのではなく、外側から意図的に埋め込まれたものであることが新たに判明している。

これらのことから、この鬼のミイラについては民話などに登場する妖怪の「鬼」のものなどではなく、金銭目的などの理由により、複数の動物の骨などを組み合わせて人為的に製作されたものだと考えられる。

日本国内では、この鬼のミイラの他にも人魚のミイラや河童のミイラなど、その存在が確認されていない生物のミイラがいくつか発見されているが、そのほとんどが何らかの理由によって人為的に製作されたものであることが証明されている。そのため、由緒ある寺院などに祀られているという理由だけで、それらが全て本物であるとは信じ込まないように注意していただきたい。

関連動画

この動画は、十宝山大乗院へと続く石造りの階段と、その付近の様子を撮影した映像である。残念ながら、現在では本堂は撮影禁止となっており、この鬼のミイラの画像や動画などは貴重なものとなってしまっている。



管理人から一言

…とは言っても、ちょっと生で見てみたいですね…。