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1967年から1978年頃にかけて週刊少年マガジンをはじめ、週刊少年サンデーや週刊ぼくらマガジンなど、様々な漫画雑誌にて連載が行われていた、漫画家の赤塚不二夫による大人気ギャグ漫画「天才バカボン」。この作品は、1971年には読売テレビによって初めてテレビアニメ化が行われており、現在では日本を代表するギャグ漫画の一つとして広く知られている。しかし、このテレビアニメの第2作目「元祖天才バカボン」では、過去に「かわった友だち」というタイトルの後味が悪く、不可解な結末を迎えるエピソードが放送されたことがある。今回は、そんな日本全国の視聴者にトラウマを植え付けたともされる、この天才バカボンの恐怖のエピソードを紹介する。
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「天才バカボン」とは?

「天才バカボン」とは、1967年から1978年頃にかけて週刊少年マガジンをはじめ、週刊少年サンデーや週刊ぼくらマガジン、コミックボンボンなど、様々な漫画雑誌にて断続的に連載が行われていた、漫画家の赤塚不二夫による大人気ギャグ漫画のことである。この作品では、バカボンのパパ・バカボンのママ・バカボン・ハジメの4人から成る、バカボン一家を中心として、レレレのおじさんなど個性豊かな登場キャラクターが繰り広げる、ドタバタ・コメディが描かれている。

この作品は、1971年には読売テレビによって初めてテレビアニメ化が行われており、その後、日本テレビ・フジテレビ・テレビ東京と放送局を変えて、合計で4回ものテレビアニメ化が行われている。また2015年5月23日には、「天才バカヴォン ~蘇るフランダースの犬~」というタイトルでアニメ映画が公開され、2016年3月11日には、日本テレビにて「天才バカボン ~家族の絆~」というタイトルでテレビドラマが放送されており、現在では日本を代表するギャグ漫画の一つとして広く知られている。

しかし、このテレビアニメの第2作目「元祖天才バカボン」では、その第141話「ショートギャグでコニャニャチハ 5」に収録された話の一つとして、「かわった友だち」というタイトルの後味が悪く、不可解な結末を迎えるエピソードが放送されたことがある。この作品には、他にもブラック・ユーモアを多く取り入れた話が度々登場しているが、このエピソードはその中でももっとも恐ろしく、日本全国の数多くの視聴者にトラウマを植え付けたものとして挙げられることが多い。

「かわった友だち」のあらすじ

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この「かわった友だち」というエピソードのあらすじとは、下記の通りである。また事前の注意点として、この話に登場する「友人」とその家族の手以外の部分については、視聴者には一切見えないようになっている。

バカボンのパパには、30年来の長い付き合いになる古い友人がいた。しかし、不思議なことにバカボンのパパはその友人の顔をこれまで一度も見たことがなく、どのような顔をしているのかとても気になっていた。

その日、バカボンのパパはその友人の顔を見ることを決意し、友人の家を訪ねた。

バカボンのパパが家の扉を開けると、その友人は衝立に姿を隠し、そこから手だけを出して挨拶をした。そこで家に上がったバカボンのパパが衝立に飛びかかると、そこには誰もおらず、その友人はいつの間にか客間へと移動していた。

バカボンのパパが客間に招かれると、その部屋は周囲がふすまに囲まれた奇妙な部屋となっていた。そして、友人はふすまから手だけを出して座布団を差し出した。

久々の再会ということもあり、バカボンのパパがふすまから手だけを出す友人に握手をしようと提案する。そして、二人が握手をした瞬間、バカボンのパパは思いっきり友人の手を引っ張るが、逆に引っ張られる形となり、隣の部屋へと引きずり込まれて転倒してしまう。しかし、その客間の隣の部屋には誰もいなかった。

友人の奥さんがふすまから手だけを出し、お茶を用意する。次に友人の息子もふすまから手だけを出し、父親と何やら会話をする。友人が息子に外で遊んでくるようにと言いつけると、友人の息子は扉を開けて外へと出て行った。

バカボンのパパが友人に顔を見せない理由を尋ねると、その友人は笑いながら「それは自分が人と顔を合わせない主義だから」と答えた。次に友人に顔の特徴を尋ねると、その友人は「輪郭は四角く、髪型は七三分けであり、眉毛は太く、瞼は二重、鼻は獅子鼻で顔の右側にホクロがあり、口が大きい」と答えた。

混乱したバカボンのパパがふすまを強引に開けると、そこには灰皿と煙草の吸殻が残されているだけであり、その友人はいつの間にか部屋の反対側のふすまへと移動していた。そして、友人は将棋をしようと言い出した。

バカボンのパパはふすまにくっつけるような形で将棋盤を置き、ふすまから手だけを出す友人と将棋をしていたが、次第に不利な状況となった。そこでバカボンのパパは将棋盤を部屋の中央へと持って行き、「将棋の続きをしたければ、顔を見せればいい」と言った。しかし、友人は畳の下から手だけを出して駒を打ち、王手をかけた。

夕方になり、友人が奥さんに対して、外で遊んでいる息子を家に呼んでくるようにと頼んだ。そこでバカボンのパパは急いで玄関へと向かい、友人の奥さんと息子が家に上がるところを待ち伏せする。しかし、扉には友人の奥さんと息子と思われる人影が映っているものの、バカボンのパパが扉を開けてみると、そこには誰もおらず、友人の子供のものと思われる野球道具が地面に残されているだけだった。そして、いつの間にか友人の子供は家の中へと上がっており、洗面所で手を洗っていた。

そのまま、バカボンのパパは友人の家族と一緒に夕飯のすき焼きを食べることになり、ふすまにくっつけるような形でテーブルを置いた。友人と奥さん、息子は隣の部屋に一緒にいるらしく、バカボンのパパは一日中、友人の家族に振り回されたというイライラもあり、勢いで隣の部屋へと飛び掛るが、またしてもそこには誰もおらず、小皿と箸が置かれたテーブルと座布団などが残されているだけだった。

しかし、この時、すき焼きに使っていたカセットコンロがひっくり返ってしてしまい、客間がすごい勢いで炎上する。バカボンのパパは無我夢中で家の外へと飛び出したものの、友人の家族は家の中に残されたままであり、二階の窓から手だけを出して助けを求めるような悲鳴を上げていた。バカボンのパパは必死に「出てくれば助かる」と大声で説得するものの、まるで友人の家族は顔を見られるのならば死んだ方がましだというように断固として家から出てくることはなく、そのまま家は焼け落ち、友人の家族は全員焼け死んでしまった。

次の日、バカボンのママが新聞を読んでいると、そこで不思議な記事を目にする。そして、バカボンのパパにこのように伝える。

「あら、パパ。変な記事が載ってるわ。…焼け跡から、不思議なことに手の骨が3本しか見つからなかったんですって」

このエピソードの最後は、バカボンのパパがふすまに隠れて手だけを出すポーズをとり、「それでいいのだ」と言い、青ざめたバカボンのパパの顔が映されて終わってしまう。

「かわった友だち」の不可解な点

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この「かわった友だち」というエピソードの全体的なシナリオとしては、「そもそも、友人とその家族には片手以外の部分がなかったため、顔を見せなかったのではなく、顔を見せられなかった」というものだと解釈されるが、その場合、下記のような不可解な点が挙げられている。
  • 約30年間もの長い間、バカボンのパパはどのようにしてその友人と付き合っていたのか
  • 友人が将棋盤を持ってくるシーンと友人の奥さんが挨拶するシーンでは、はっきりと両手が描かれている
  • 結果的には、バカボンのパパが放火を行っていることになるが、その点については一切触れられていない

このエピソードはギャグというより、ホラー寄りの色合いが強く、その結末も意味深なものとなっている。しかし、この「天才バカボン」という作品には、特に深い意味などが用意されていない「ナンセンス・ギャグ」の要素が多く盛り込まれているため、あまり深いことは考えずに見た方がいいのかもしれない。

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管理人から一言

この話を文章化するのは難しいと、書いてから気づきました…。