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「百匹目の猿現象」とは、生物学者ライアル・ワトソンによって提唱された生物学の仮説であり、「ある行動や意思などが一定数を超えると、接触のない同類の仲間にも自然発生する」という現象のことである。
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この仮説の詳細

1953年、宮崎県串間市の幸島に棲息する約20頭の猿の内、1匹の子猿が海の水辺で芋を洗い、食べているところを小学校教員の女性によって発見された。この子猿が生み出した文化は、子から兄弟へと徐々に広がっていき、約6年ほど経った頃には島のほぼ全ての猿たちへと芋を洗って食べる行為が伝染していった。

この時、ある不思議な現象が起きる。それは、幸島から遠く離れた大分県高崎山の猿の群れでも、突然、この芋を洗うという行動を行う猿が見られるようになったのだ。高崎山でもこの文化は次第に伝染していき、いつしか高崎山のほぼ全ての猿たちも、芋を洗って食べることを覚えていった。

この話を日本の霊長類学者・河合雅雄の論文で知った生物学者のライアル・ワトソンは、「ある文化を持つ個体の数が一定数を超えると、その文化は繋がりのない遠くの地でも、自然的に発生するのではないか」という仮説を立てる。

この仮説は、1979年に出版されたワトソンの著書「生命潮流」の中で述べられ、1981年に出版された作家ケン・キース・ジュニアの著書「百番目のサル」によって世界中に広まった。日本では経営コンサルタントで知られる、船井幸雄の「百匹目の猿―思いが世界を変える」の中で紹介され、「人間にも同様の現象が存在するのではないか」という主張から、世間の注目を集めて話題となった。

その真相とは?

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実際には、最初に報告されていた猿の逸話は創作されたものであり、高崎山の猿への伝染の事実は確認されておらず、同様に幸島の群全体に伝染したという事実も確認されていない。またワトソンは河合雅雄の論文によるものとしていたが、この論文にはワトソンが述べたようなことは記述されていなかった。

その後、ワトソン自身もこの仮説について全て根拠が無いということを認めている。

これらのことからこの仮説は一連のニューエイジ・ムーブメントで盛り上がりをみせた、一部の神秘主義者によって拡大解釈されて広まった、信憑性の極めて低いものだと考えられる。

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管理人から一言

芸人の「おさる」さん、最近見ませんね…。