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「バター猫のパラドックス」とは、アメリカ合衆国を中心として世界中の多くの国々で囁かれている、ある有名な二つの俗説を皮肉ったジョーク的なパラドックスのことである。そのパラドックスの内容とは、「我々が日常的に耳にすることがある、『猫は足を下にして着地する』、『バターが塗られたトーストは、バターが塗られた面を下にして着地する』という二つの俗説が正しいものと仮定する。この時、猫の背中にバターが塗られたトーストを、バターが塗られた面を上になるようにして縛り付け、その猫を一定の高さから落とした場合、一体どうなってしまうのか」というものである。このパラドックスはとてもユーモラスなものであり、その内容がシンプルなものであるため、「パラドックスとは、一体何なのか」という説明をする際に用いられることが多い。
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「バター猫のパラドックス」の詳細

この「バター猫のパラドックス」では、まず、下記の二つの俗説を正しいものと仮定する。
  1. 猫は足を下にして着地する
  2. バターが塗られたトーストは、バターが塗られた面を下にして着地する

この時、猫の背中にバターが塗られたトーストを、バターが塗られた面を上になるようにして縛り付け、その猫を一定の高さから落とした場合、そこには一つのパラドックスが生じることになる。

なぜなら、猫が足を下にして着地した場合、バターが塗られたトーストは、バターが塗られた面を上にして着地したことになり、逆にバターが塗られたトーストが、バターが塗られた面を下にして着地した場合、猫は足を上にして着地したことになるためである。

「バター猫のパラドックス」における仮説

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現在、この「バター猫のパラドックス」については、いくつかの仮説が冗談交じりに立てられている。その中でももっともユニークな仮説としては、「猫は足を下にして着地しようと試み、同時にバターが塗られたトーストは、バターが塗られた面を下にして着地しようと試みるため、その二つは空中で高速回転を始め、やがて反重力を生み出し、最終的には地面から少し浮いたところで回転したまま安定した状態になる」というものである。

またどちらかが正常な形で着地した後に、もう片方が正常な形で着地し直し、それが交互に続くのではないかという仮説も立てられている。しかし、その場合、お互いの誘引力の間に差異が生じることになるため、次は「どちらの誘引力が強いのか」という新たな問題が生じてしまうことになる。

その真相とは?

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現在、YouTubeなどの動画共有サービスには、実際にこの「バター猫のパラドックス」を試してみたという人々による動画がいくつかアップされているが、その結果は全て「猫が足を下にして着地する」というものとなっている。猫は動物の中でも非常に優れた平衡感覚を持っており、同時に高い柔軟性と瞬発力を持っているため、ある程度の高さから落下しても、足を下にして着地することが可能となっている。

また「バターが塗られたトーストは、バターが塗られた面を下にして着地する」という俗説については、認知バイアスの一例として古くから挙げられているものである。この「認知バイアス」とは、認知心理学や社会心理学における、主に統計学的な問題に影響を与えることがあるという人間の偏ったものの見方や捉え方のことである。

例えば、ある人物がバターの塗られたトーストを誤って高価なカーペットの上に落とし、そのトーストが運悪くバターの塗られた面を下にして着地してしまった場合、その人物はその時の嫌な記憶・経験から、無意識のうちに「バターが塗られたトーストは、バターが塗られた面を下にして着地する」という歪曲した偏見を持ちやすくなるという傾向がある。

現在、このパラドックスはとてもユーモラスなものであり、その内容がシンプルなものであるため、「パラドックスとは、一体何なのか」という説明をする際に用いられることが多いものとなっている。この機会に皆さんも、何かオリジナルのパラドックスを考案してみてはいかがだろうか。

関連動画

この動画は、ポルトガルのエナジードリンク「Flying Horse Energy Drink」のテレビCMの映像である。このテレビCMでは、白衣を身にまとった黒人男性が電力の不足気味な研究所にて、偶然に「バター猫のパラドックス」を発見し、そこから永久機関の開発に成功してしまうという笑える内容となっている。



管理人から一言

「絶対に嘘をつかない人」が、「政治家」になると、パラドックスが生じます…。